付加年金とは|月400円の上乗せ
個人事業主が将来受け取る年金は、会社員より少なくなります。その差を埋める方法のなかで、いちばん手軽なのが付加年金です。
月400円の上乗せで、将来の年金が増えます。しかも、2年受け取れば元が取れる計算になります。
この記事では、付加年金を、仕組み・受け取れる金額・注意点の順に整理します。国民年金の基本は 国民年金の手続きと免除制度 で解説しています。
01付加年金とは
まず、制度の中身です。
付加年金は、国民年金の第1号被保険者(個人事業主など)が、通常の保険料に月額400円を上乗せして納めることで、将来の老齢基礎年金に上乗せが受けられる制度です。
令和8年度なら、国民年金保険料17,920円に400円を足して、月18,320円を納めるイメージです。
02受け取れる金額の計算
いくら増えるのか。計算はシンプルです。
受け取れる付加年金の額は「200円 × 付加保険料を納めた月数」(年額)です。
たとえば20年間(240か月)納めた場合を見てみます。
- 納めた額:400円 × 240か月 = 96,000円
- 増える年金:200円 × 240か月 = 年48,000円
032年で元が取れる
上の数字が意味することです。
納めた総額96,000円に対し、増える年金は年48,000円。つまり、年金を2年受け取れば元が取れます。その後は、生きている限り毎年48,000円が上乗せされ続けます。
公的年金は終身で受け取れるため、長生きするほど得になる設計です。これほど回収の早い上乗せは、他にほとんどありません。
04申し込み方法
手続きは簡単です。
お住まいの市区町村の国民年金担当窓口、または年金事務所で申し込みます。申し込んだ月から納付が始まり、さかのぼっての納付はできません。
思い立ったら早めに手続きするほど、納付月数が増えて受け取る額も大きくなります。
05注意点
いくつか押さえておく点があります。
- 国民年金基金との併用はできない:どちらか一方を選びます
- 第1号被保険者が対象:会社員(第2号)や、その扶養に入っている人(第3号)は対象外
- 国民年金保険料の免除を受けている期間は納付できない
- 付加年金には物価スライドがないため、受け取る額は定額のまま
国民年金基金は掛金が大きく上乗せ額も大きい制度です。どちらを選ぶかは、掛けられる金額で判断します。
06他の上乗せ手段との関係
老後資金づくり全体で見た位置づけです。
- 付加年金:月400円。手軽で回収が早い。掛金は社会保険料控除
- iDeCo:個人事業主は月6.8万円まで。掛金は全額所得控除(iDeCo・国民年金基金で節税する)
- 小規模企業共済:月7万円まで。廃業・退職時に受け取る(小規模企業共済とは|節税と退職金)
付加年金の400円は、iDeCoや国民年金基金の掛金上限(月6.8万円)に含めて計算されます。とはいえ400円と小さいため、まず付加年金から始めて、余裕があればiDeCoや共済を足していくのが現実的です。節税全体は 節税のためにやるべきこと にまとめています。
よくある質問
付加年金とは何ですか?
国民年金の第1号被保険者が、月額400円を上乗せして納めることで、将来の老齢基礎年金に上乗せを受けられる制度です。個人事業主やフリーランスが対象です。
いくら年金が増えますか?
「200円 × 付加保険料を納めた月数」が年額で増えます。たとえば20年間(240か月)納めれば、年48,000円が上乗せされます。この額は生涯にわたって受け取れます。
本当に元が取れますか?
納めた額は「400円×月数」、増える年金は年額で「200円×月数」なので、年金を2年受け取れば元が取れます。その後は生きている限り上乗せが続くため、長生きするほど有利です。
誰でも加入できますか?
国民年金の第1号被保険者(個人事業主など)が対象です。会社員(第2号)やその扶養に入っている人(第3号)は加入できません。また、国民年金基金に加入している人は併用できません。
iDeCoと併用できますか?
併用できます。ただし、付加保険料の400円はiDeCoの掛金上限(個人事業主は月6.8万円)に含めて計算されます。金額が小さいため、実務上の影響は限定的です。
まとめ
付加年金は、月400円の上乗せで将来の年金を増やせる制度です。増える額は「200円×納付月数」(年額)で、受け取り始めて2年で元が取れ、その後は生涯にわたって上乗せが続きます。
対象は国民年金の第1号被保険者で、国民年金基金とは併用できません。申し込んだ月からの納付になり、さかのぼれないため、早く始めるほど有利です。老後資金づくりの第一歩として、まず検討する価値があります。
制度の詳細や手続きは、日本年金機構やお住まいの市区町村の公式情報でご確認ください。