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免税事業者と課税事業者の違い

公開 2026.07.04更新 2026.07.04

消費税には、納める義務がある「課税事業者」と、義務が免除される「免税事業者」があります。この違いは、インボイス制度を考えるうえでの土台になります。

自分がどちらなのか、そしてどうなると課税事業者になるのかを知っておくことが大切です。

この記事では、免税事業者と課税事業者の違いを、判定の基準・課税事業者になるケース・インボイス登録との関係の順に整理します。

01免税事業者と課税事業者の違い

まず、それぞれの意味を押さえます。

  • 課税事業者:受け取った消費税から、支払った消費税を差し引いて、その差額を国に納める
  • 免税事業者:消費税を受け取っても、納める義務が免除される

免税事業者は、受け取った消費税をそのまま利益にできます(益税と呼ばれます)。小規模な事業者の事務負担に配慮した制度です。

02判定の基準は「基準期間の1,000万円」

どちらになるかは、売上で決まります。

判定の中心になるのが「基準期間」の課税売上高です。個人事業主の場合、基準期間はその年の前々年(2年前)です。

  • 基準期間の課税売上高が1,000万円以下:原則として免税事業者
  • 基準期間の課税売上高が1,000万円超:課税事業者

つまり、2年前の課税売上高が1,000万円を超えると、その年は課税事業者になります。

03特定期間の例外

基準期間が1,000万円以下でも、課税事業者になる場合があります。

「特定期間」の課税売上高による判定です。個人事業主の特定期間は、前年の1月1日から6月30日までです。

この特定期間の課税売上高が1,000万円を超え、かつ支払った給与等の金額も1,000万円を超えると、課税事業者になります。なお、課税売上高に代えて給与等の支払額で判定することもでき、給与等が1,000万円以下なら免税を維持できます。

04税込と税抜の判定に注意

見落としやすい落とし穴があります。

基準期間に免税事業者だった場合、その期間の課税売上高は「税込」で判定します。課税事業者だった場合は「税抜」で判定します。

免税事業者にとっては、税込で見ると1,000万円を超えやすくなります。たとえば税抜950万円でも、税込では約1,045万円となり、1,000万円を超えます。免税を維持したい場合は、税込の売上高で管理する必要があります。

05インボイス登録すると必ず課税事業者

インボイス制度により、大きな例外が加わりました。

適格請求書発行事業者として登録すると、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、課税事業者になります。登録している限り、売上が下がっても免税事業者には戻れません。

つまり、インボイス登録は「課税事業者になること」とセットです。登録の判断は インボイス制度とは|個人事業主への影響適格請求書発行事業者の登録方法 で解説しています。

06課税事業者になったらやること

課税事業者になると、消費税の申告義務が生まれます。

  • 消費税の確定申告をする(所得税とは別に、原則3月31日まで)
  • 受け取った消費税と支払った消費税を集計する
  • 納税する

計算方法には原則課税・簡易課税・2割特例があり、選び方で納税額が変わります。詳しくは 消費税の納税義務はいつから発生する簡易課税制度とは で解説しています。

よくある質問

免税事業者と課税事業者はどう違いますか?

課税事業者は受け取った消費税から支払った消費税を差し引いて納税します。免税事業者は消費税を受け取っても納める義務が免除されます。小規模事業者の事務負担に配慮した制度です。

自分が課税事業者かどうかはどう判定しますか?

基準期間(個人は前々年)の課税売上高が1,000万円を超えるかで判定します。1,000万円以下なら原則免税、超えると課税事業者です。ただし特定期間やインボイス登録による例外があります。

売上が1,000万円を超えたらすぐ課税事業者ですか?

基準期間は前々年のため、売上が1,000万円を超えた年ではなく、その2年後から課税事業者になるのが原則です。ただし特定期間(前年上半期)の売上と給与がともに1,000万円を超える場合は、翌年から課税事業者になります。

インボイス登録すると免税に戻れませんか?

登録している限り、基準期間の売上が1,000万円以下でも課税事業者のままです。免税に戻るには、登録を取り消す手続きが必要です。ただし取り消しには時期の制限があります。

税込と税抜、どちらで判定しますか?

基準期間に免税事業者だった場合は税込、課税事業者だった場合は税抜で判定します。免税事業者は税込で判定されるため、税抜1,000万円未満でも税込で超えると課税事業者になる点に注意が必要です。

まとめ

免税事業者と課税事業者の違いは、消費税を納める義務があるかどうかです。判定の中心は基準期間(個人は前々年)の課税売上高で、1,000万円以下なら原則免税、超えると課税事業者になります。

特定期間による例外や、免税事業者は税込で判定される点にも注意が必要です。そして、インボイス登録をすると基準期間の売上に関わらず課税事業者になり、登録している限り免税には戻れません。自分の立場を正しく把握して判断しましょう。

税務の最終的な判断は、国税庁の公式情報や、税務署・税理士への確認に従ってください。

出典